生後4ヶ月です。ミルクを飲んだばかりなのに、ぐずってしまいます。
まずは、生活リズムを振り返ってみましょう。通常、最後3〜4ヶ月くらいになると、昼夜の別がはっきりしてきます。テレビや電気がついているところで寝かせているなど、大人の生活に合わせてしまうと、ストレスになってしまいます。子どもによい睡眠リズムを身につけさせてあげられているか見直してみるとよいですね。
また、ミルクの飲み方が下手でたくさん空気を飲んでしまって気分が悪いのかもしれません。
おむつがぬれていないか、寒かったり暑かったりしていないか、眠りの状態をつかんだうえで、意識して笑顔で話しかけ、おもちゃであやすなどして、笑顔を作ってあげてください。

桃澤智恵子(あひる保育園 元園長)

生後5ヶ月です。入園のため、母乳からほ乳瓶での授乳に切り替えたいのですが、ほ乳瓶の乳首をいやがります。
それまでしっかり母乳を飲んでいたのですから、飲む力はあります。ただ、おっぱいとほ乳瓶の乳首の違いに敏感なのでしょう。基本的には、おなかがすいたら飲むようになるものです。「大丈夫。きっと飲めるようになる」という、どっしりとした気持ちで接しましょう。飲まないからといって少量ずつ与えるのは逆効果です。遊んで運動をさせ、時間をあけてお腹をしっかりすかせたところであげてみてください。それでも飲まなければ、スプーンで少しずつ口に入れてあげましょう。少し飲めたところで、もう一度ほ乳瓶で飲ませてみてください。時間はかかるかもしれませんが、必ず飲んでくれます。

桃澤智恵子(あひる保育園 元園長)

ミルクの飲み過ぎで、肥満が心配なのですが…。
0歳児の場合、多少太り過ぎでも、健康的でよく動くようであれば、あまり心配はいりません。また、1歳くらいまでの乳児肥満は、歩けるようになって運動量が増えると、バランスがとれてきます。
1日のほ乳量が目安を越えていてもぐずるのは、早飲みで満足感がない場合もありますので、母乳に近いタイプの乳首に換えてみましょう。また、おしゃぶりの習慣がある場合、空腹ではなくても乳首を吸いたくなり、ミルクを頻回に欲しがることがありますので、できるだけやめていけるとよいでしょう。

山口千恵子(おさなご保育園 看護師)

ミルクを飲む量が少なく、体重も増えなくて心配です。
赤ちゃんの体重の増え方には、個人差があります。生まれつきの体質でどんどん育ったり少しゆっくり育ったりします。
ミルクを無理に飲ませることは避けたいですが、かといってすぐに諦めず、愛情を込めて少量ずつでも飲ませてあげていると、飲み始めることがあります。
赤ちゃん体操、ボールなど、体を動かす遊びや散歩などが食欲や体格によい影響を与えます。
また、味覚の発達とともに、ミルク嫌いになる赤ちゃんもいます。ミルクを飲まなくても、離乳食を機嫌良く食べて体重が増えていくようでしたら、離乳食を中心に進めるとよいでしょう。

山口千恵子(おさなご保育園 看護師)

離乳食で下痢をしてしまうのですが…。
赤ちゃんは、消化吸収能力が未熟なので、初めての離乳食に腸管が過敏に反応して下痢をすることがあります。ミルクをよく飲んで機嫌もよく、発育が順調なようでしたら、離乳食は中止しないで進めた方がよいでしょう。そのうち普通便になることが多いようです。
下痢が4〜5回にもなり、ひどくなるようでしたら、ウイルスや細菌、乳糖不耐症などが原因の場合もありますので、小児科を受診しましょう。その際は便のついたおむつを持参し、食事内容、便の回数、形状、色、におい、発熱や嘔吐など、他の症状についても医師に伝えられるようにしておきましょう。

山口千恵子(おさなご保育園 看護師)

すぐ手づかみで食べてしまうのですが、どうしたらスプーンを上手に使えるようになりますか?
スプーンで食べたい気持ちを育みながら、力が足りないところを大人が援助しましょう。

<スプーンですくいやすい工夫をする>
 ・野菜の煮物などは、スプーンの大きさを配慮して刻む。すくいやすい豆類を活用する。
 ・ヘリが垂直に立ち上がっている食器を使う。

<子どもの自立心を大切にする>
 ・「お兄ちゃん/ お姉ちゃんみたいに」という励ましの言葉を使う。
 ・「手で食べるのは赤ちゃん」などと、手づかみで一生懸命食べている姿を否定しない。
 ・おやつなどに、手づかみ食べで食べるメニューなども取り入れ、
  持っている力で十分に楽しめることも意識する。
 ・援助しながらも、「自分で食べた!」という実感をもてる食卓にすることが大切。

小西律子(おさなご保育園 調理師)

おかずを食べない子にバランスよく食べさせるには?
「ごはんも汁物も食べることができている」などとプラスにとらえてみるとよいでしょう。「ごはんが大好きなんだね。お味噌汁もいっぱい食べてくれてうれしいな」と声かけをすると、子どもはうれしくて、食事の時間がもっと楽しくなります。そこから、「おかずもひと口食べてみる?」と誘ってみます。たくさんの量を勧めたくなりますが、そこはあせらないで。「食べられてうれしいね。もっと食べる? やめておく?」というように、子どもが自分で決めていけるように援助します。食べたからといって必要以上に評価することは避け、おかずが食べられなかった日も機嫌よくごちそうさまをしながら、気長にかかわりましょう。

小西律子(おさなご保育園 調理師)

苦手な青野菜を食べてもらうには?
青野菜が苦手というのは、よくあることです。無理強いしたり脅かすような言葉をかけたりすることは避けましょう。野菜、とくに青菜は、体にいいから食べるという学習を積んでいくなかで、おいしさを味わえるようになっていく「頭で食べる」食品でもあります。絵本や買い物など生活のさまざまな場面で食材とのかかわりをもつことで、「食べよう」「食べてみたい」という気持ちを育むことが、食べる力を発揮することにつながるでしょう。また、ほうれんそうのごま和えは、ゆでた白菜を30%くらい加えていっしょに和えるなど、食べやすくする工夫もするとよいですね。咀嚼力も弱い子どもの場合は、少し柔らかめにボイルし、出し汁も加えてぽってりした食感に仕上げると、食べやすいようです。

小西律子(おさなご保育園 調理師)

牛乳を飲んでくれないのですが…。
牛乳は、飲めたほうがいいに違いありませんが、どうしても飲まなければならないものではありません。
小学校の給食で困ることがないように、という配慮から勧められることが多いようですが、乳幼児期には、食べ物の幅を広げていくという観点も大切です。ほかの食品で栄養を補うこともできるので、強制する必要はありません。2歳半を過ぎたら、「ウシの赤ちゃんがおっぱい飲んで大きくなったから、ウシのお母さんがどうぞって分けてくれたよ」などと語りかけてみてもよいでしょう。

小西律子(おさなご保育園 調理師)

食事中に眠くなってしまうのですが、そのまま寝かせてしまってよいのでしょうか?
よくある姿ですが、子どもの体力を考えると、食事をせずに寝かせてしまうことは避けたいですね。かといって、無理やり起こして食べさせることもやめましょう。ほんの10〜15分食事時間を早められたらいいことが多いようです。子どもの様子をよく見て、眠くなる前に食事を済ませるよう心掛けてみてください。

小西律子(おさなご保育園 調理師)

スプーンの持ち方は、どのように教えたらいいですか?
2歳ごろから、スプーンの正しい持ち方を教えていきましょう。ペンを持つようにスプーンを持つのが正しい持ち方です。教え方は、人さし指と親指をくっつけたり離したりして「ピヨピヨさんのお口」を作らせます。この2本でスプーンの柄をしっかり持ち、ほかの指は自然に添わせるようにしましょう。 スプーンですくいやすように、食べ物の大きさや固さを調整するのもよいですね。一生懸命食べる姿を否定することはせずに、力の足りないところは援助しながらも、「自分で食べた!」という実感をもてる食卓にすることが大切です。

小西律子(おさなご保育園 調理師)

4月 いちごのムース
はしの持ち方は、どのように教えたらいいですか?
個人差はありますが、手指の発達などから考えて、3歳ごろから始めるといいようです。はしを正しく持てるようになるには、スプーンを正しく使えていることがポイントです。そうすれば、スプーンを抜き取って、はしを持つだけのことなのです。まずははQ11で解説した「ピヨピヨさんのお口」で1本のはしをしっかり持ち、まずは人さし指で押さえるようにはし先を下に向け、中指で下から押し上げるようにはし先を上に向けるのを繰り返します。もう1本は薬指の爪の横に固定させ、中指をかるく乗せます。 使い始めは疲れるものです。スプーンもそばに置いて、いつでも使えるようにしておきましょう。初めて使うはし選びにも、ポイントがあります。竹や木など天然の素材で作られたもので、仕上げに薬品などを使っていない物を選びましょう。先端が細くとがっている物のほうが、しっかりつまめます。はしの長さは、手首のラインからまっすぐ薬指までを計り、その値に3cm足した長さが使いよいとされています。

小西律子(おさなご保育園 調理師)

4月 いちごのムース
白いごはんを嫌がって食べてくれないのですが?
白いごはんとおかずをいっしょに食べる「口内調味」という食べ方は日本特有のものです。いっしょに食べることでごはんもおかずも互いにいっそうおいしくなります。また、そのことによって味覚が育っていきます。好き嫌いということではなく、このような白いごはんの役割を、教えてあげましょう。その上で白いごはんとおかずの組み合わせで食べる機会を増やしてそのおいしさを味わい、習慣づけていけるとよいですね。

小西律子(おさなご保育園 調理師)

食べる量が少なく、体重がなかなか増えないのですが…。
発育が順調な場合は、食べる量が少なくても心配はいりません。発育が悪い場合も、大部分が生まれつきの小食で、成長を待てばよいと思いますが、中には病気が隠れていることがありますので、母子手帳の成長曲線からどんどん離れていくようなら、念のため小児科を受診しましょう。体を動かすのが少ないために、食欲が出ない子もいます。食前には運動をしっかりして、空腹感が得られるようにしてあげましょう。
また、一時的に食事量を減らして、食べきったらほめて、おかわりをするなど、満足感を得られるような体験をさせてあげるのもよいと思います。嫌いなものを無理やり食べさせようとがんばるより、食卓が楽しい時間となるように見守ってあげましょう。食べ物の絵本などを読み聞かせして、食への関心を高めるのもよいと思います。

山口千恵子(おさなご保育園 看護師)

園では座って食べるのに、家では立ち歩いてしまうのですが…。
園で座って食べるのは、ルールを守ったほうがより楽しい場にできることがわかっているからです。家庭でも10か月を過ぎた頃から、ルールを守り合う者どうしとして食卓に着くようにしていきましょう。
しかって座らせるのではなく、食卓に着いている家族みんなが楽しく過ごすことが、まず大切です。途中で立ち歩くなら、ごちそうさまをさせていっしょに片づけてからにします。その後に「食べる!」と席に着くこともありますが、「ごちそうさまして、お片づけもしたね」と思い出させます。納得できればその姿を喜びましょう。大人を試すように泣くときは、あまり関わらず様子を見て、泣きやんだら静かにもう一度同じ話をします。あくまでも子ども自身が自分の課題を越え一つひとつ力をつけていく手助けをしてあげましょう。

小西律子(おさなご保育園 調理師)

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