げっぷは必ず出させなければいけませんか?
授乳後、しばらく時間がたってから吐くことがありますので、生後4〜5か月頃までは、授乳後のげっぷを促しましょう。しかし、げっぷの出方には個人差があり、必ず出るとは限りません。それは、赤ちゃんによって、胃の特徴やミルクの飲み方などが違うからです。 授乳後にげっぷを出しやすくするためには、赤ちゃんを縦抱きにして、背中をゆっくりなでたり、軽くトントンとたたいたりします。吐く原因はげっぷだけではありませんが、いずれにしても念のため顔が少し横を向くように寝かせて、誤飲を予防してください。 ミルクを飲ませるときは、ほ乳瓶の角度を調節して、できるだけ空気を飲ませないようにするとよいでしょう。成長するに従ってあまりげっぷをしなくなりますが、吐かなければ大丈夫です。

山口千恵子(おさなご保育園 看護師)

睡眠時間が短く、すぐに起きてしまいます。たっぷり寝かせるにはどうしたらよいですか?
24時間の生活リズムを見直してみましょう。例えば前日の夜、寝る時間が遅くなっても、ふだんと同じ時間には起こすなどして、睡眠リズムを整えていく事が大切です。また、日中にしっかり体を動かしたり、手指を使って集中して遊んだりすると、頭も体も心地よい疲れを感じて、たっぷり睡眠をとることができます。大きな声を出さないなど、静かに眠ることができる環境を整えることも大切ですね。

市枝恵子(おさなご保育園 元園長)

乳児に歯磨きは必要ですか?
乳児に歯磨きは必要です。赤ちゃんの歯は、生後半年頃から生え始めます。下の歯が生え始めた頃が歯磨き開始時期の目安です。虫歯になる原因であるミュータンス菌を口の中に感染させず、増やさないことが大事です。乳歯に虫歯ができると、痛くて食べづらくなって噛む力が弱くなり、早くに乳歯が抜けてしまうと永久歯の歯並びも悪くなることがあります。乳児は歯磨きを嫌がります。楽しい雰囲気でやさしく磨いてあげましょう。虫歯から守りいつまでも白い歯を持ち続けたいものです。

市枝恵子(おさなご保育園 元園長)

ひっかき防止や指吸い防止のミトンは必要ですか?
生後2〜3か月頃になると手を顔に持っていこうとするようになります。これは、自分の手を認知するための重要な行為で、体を思い通りに動かせるようになった育ちを意味します。また、手に持った物や指を口に入れることは、離乳食の摂取をスムーズに行うことにもつながります。こういった意味で、手を十分に使えるように、ミトンで覆うことは避けましょう。
ひっかきがひどい場合には、眠るときに限ってミトンを使うのはどうでしょうか? ひっかき傷が気になるときは、皮膚のケアは怠らないでください。指吸いを恒常化させないためには、あやしながら、おもちゃを持たせたりして手を外界に向けていくようにするとよいでしょう。
赤ちゃんは、楽しく笑うときに手を伸ばしたり、開いたりします。

桃澤智恵子(あひる保育園 元園長)

4か月を過ぎても首がすわりません。発達の遅れの心配はないのでしょうか?
4か月頃は、あお向け寝の状態から両手を持って引き起こしてきたときに、垂れていた頭を一瞬持ち上げるという程度ができれば首がすわっていると言えます。おんぶしても首がぐらぐらしないでいられるほどしっかりするのは、5か月過ぎくらいになってからでしょう。頭が大きめの乳児の場合、遅いことがあります。また、予定日よりも早く生まれた早産児は、修正月齢で判断する必要があります。 追視をしたり、笑ったりできるようなら、1か月くらい様子を見てみましょう。5か月を過ぎてもぐらぐらしているようなら、小児科で診ていただくことをおすすめします。

三石知左子(葛飾赤十字産院 院長小児科

7か月で、腹ばいをさせたいのですが、嫌がります。
だっこで過ごす時間が長くなっていないでしょうか? だっこばかりだと、腹ばいの姿勢がつらくなって苦手になりがちです。一定時間持続して腹ばいで遊べるようにするには、子どもの目の前を楽しいものにすることが大切です。子どもと向かい合っていっしょに腹ばいになったり、興味を示す物を置いてあげましょう。握って遊び始めたら、「つかめたね、すごいね」と声をかけると、子どもはうれしくなってやる気になるでしょう。その気持ちを大事にしながら、腹ばいで遊ぶ時間を少しずつ延ばしていきましょう。

市枝恵子(おさなご保育園 元園長)

10か月ですが、背中で移動してしまい、はいはいをしません。
背中で移動したり、お座りの姿勢のまま移動することを覚えてしまうと、はいはいが苦手になってしまいます。この時期は、床をしっかり蹴ってはいはいすることで全身の力をつけ、しっかり歩く基礎を身につける大事な時期です。楽しい遊びのなかで、はいはいを身につけさせていきましょう。
例えば、大人も腹ばいになって、大好きなおもちゃを前に置き、おもちゃを少し動かして前進するように誘ったり、段差を乗り越えたり、スロープを登ったりするのもよいですね。

市枝恵子(おさなご保育園 元園長)

はいはいをしないで歩き始めました。 はいはいをさせたいのですが…。
歩行の準備段階であるはいはいは、十分経験させてあげたいですね。
お腹をつけて這う「ずりばい」から「四つばい」「高ばい」※と進んでいきます。「高ばい」から自分の力で立ち上がり、「ドシン」と尻もちをつき、床に両手をついてまた立ち上がるその繰り返しで一歩二歩と歩き始めます。順序を踏んで獲得した歩行だと、転んだときに手が前について我が身を守ることができます。緩やかな斜面登り、また草原の上でのはいはいなど親子で楽しんでください。
※高ばい…両手と足の裏を床について膝を伸ばした状態での移動

若林宏子(社会福祉法人はとのさと福祉会 常務理事・統括園長)

1歳6か月を過ぎてもまだ歩きません。少し遅すぎるのではと心配です。
これまでの運動発達に遅れがなくて歩くのが遅い場合には、生活環境や本人の性格などの影響が考えられます。部屋をきれいに片づけて、膝立ちやつかまり立ちができる適当な高さの物を用意しましょう。
また、本人の性格が非常に慎重だと、なかなか進まない場合があります。つかまり立ち、伝い歩きがよくできていれば、今少し見守ってください。

三石知左子(葛飾赤十字産院 院長小児科

1歳になりますが、動き回ることが好きで、落ち着いてゆっくり遊んでくれません。
まずは大人と向き合って手をとり「いっぽん橋こーちょこちょ」などのこそばし遊びを楽しんだあと、積み木遊びなどをしてみてはどうでしょう。最初は高く積むことより、積んだ積み木を壊すことのほうが楽しいのです。大人が積んでは、子どもが壊す、こんな遊びをいっぱいすると、今度は積むことに興味をもつようになります。高く高く積んだり、長く長く並べたりして落ち着いて一つの遊びを楽しめるようになります。
ミルク缶の上部に穴をあけ、いろいろな物をポットンと落とす遊びなどもしてみてください。カサカサ音が鳴るあめの包み紙になにかを包んで渡し、「なにが出てくるかな?」といっしょに開けるなどして遊ぶのもよいですね。「○○あったね」「わあ、できたね」などと関心を共有することが大切です。

桃澤智恵子(あひる保育園 元園長)

トイレに誘っても行きたがりません。
子どもは、大人の一方的な誘導を察知すると、かたくなに拒否することがあります。特に、便意や尿意が感じられないときには、「自分で決めるの!」とばかりに自己主張しているのかもしれません。もしかしたら、もっと遊びたい気持ちの表れなのかもしれません。 食事をしたらすぐにトイレ、などと決めつけずに、少し遊んだあとで、「楽しかったね。そろそろトイレに行って、お昼寝の準備しようね」などと話しかけ、ゆったりとかかわりましょう。言うことを聞かせようとする前に、子どもの気持ちに心から共感しながら、「遊びたいけど、その前にうんちしようね」などと声かけしましょう。 失敗したときには、「ほらね、だから言ったでしょ」などと言うのではなく、「気持ち悪いね。次は早めにトイレに行こうね」と切り替えてください。子どもは、やっぱり行ったほうがよかったかな…と振り返ることと思います。そして次に備える気持ちが育っていくと思います。 また、紙おむつからパンツに変えて尿感覚をつかんだり、尿が出ていることを子ども自身に実感させてあげるのもよいでしょう。成功したらしっかりとほめてあげましょう。

山口千恵子(おさなご保育園 看護師)

おねしょが直らないのですが…。
子どもはぼうこうが小さく、ホルモンの分泌が安定していないので、無意識のうちに尿がたくさん作られたり、ぼうこうの蓄尿量が少なかったりすることがあります。 また、生活や情緒の変化などの理由から、自律神経のバランスが崩れると、おねしょが見られることがあります。排尿の仕組みが、自律神経を介して行われるからです。 7 歳くらいまでのおねしょは、成長とともに、ほとんど治まってくることが多いので、あまり心配はないようです。 日中おむつがはずれている子でも、睡眠時はおむつを付けてもよいでしょう。気持ちが安定し内蔵機能が育つと、おねしょの回数が減っていくこともあります。 また、寝る前にトイレに行く習慣をつけていくことで、おねしょが減るケースが多く見られます。就学まではゆったりと見守ってあげましょう。

山口千恵子(おさなご保育園 看護師)

トイレトレーニングの始め方は?
排泄の自立への取り組みは「自分のことは自分でしたい」という気持ちが膨らむ1歳児から始めると、うまくいくようです。お昼寝から目覚めたあとに、おまるやトイレに座って排泄してみましょう。この時期の排尿感覚は、個人差はあるものの大体1時間くらいです。生活の節目に「おしっこしてから◯◯しようね」など、ていねいな言葉を添えておまるやトイレに誘うと、次の活動に集中でき、見通しの力もつくのでおすすめです。成功したら喜びを共感し合うことで、おまるやトイレで排泄する意欲にもつながっていきます。もしも子どもが嫌がるような場合には、無理強いせず、「またしようね」と声をかけてあげましょう。失敗したときは、しからずすぐにパンツを取り替えて気持ちよくしてあげてくださいね。

市枝恵子(おさなご保育園 元園長)

よく転ぶのですが、どこか悪いのでしょうか?
赤ちゃんのときに「はいはい」をあまりしなかったのでしょう。また「高い高い」をしてもらったり、抱っこでゆすってもらったりなどの体のバランスをとる遊びの経験が少ないのかもしれませんね。転びそうになった時、人は無意識に首に力を入れて重たい頭を起こし、重心をもとの位置に戻そうとしています。
この立ち直ろうとする力が育つといいですね。それには足首を持って「手押し車」をし、歌をうたって少し歩いてみましょう。また、うつぶせで足首を持って胸を「うーん」と後方へそらしてみましょう。
このように姿勢を変化させる運動遊びで、お母さんといっしょに楽しく遊んでみましょう。

若林宏子(社会福祉法人はとのさと福祉会 常務理事・統括園長)

寝つき、目覚めが悪いです。
睡眠リズムが整っていないと、眠りにつきにくく、目覚めも悪くなります。以下のようなことに気をつけると、睡眠リズムが整います。
 ・早起きの習慣をつける。
 ・朝の光を浴びさせる。
 ・午前中に体を動かす。
 ・お昼寝の時間は一定にする。
 ・お風呂の温度はぬるめにする。
早起きをして、朝の光を浴びることで、体内時計がリセットされ、体が目覚めます。夕方になると眠りにつきやすいように体温が下がり始めるので、寝る前の熱いお風呂は避けましょう。寝る前に絵本を読むなどして、安心して眠りにつきやすいようにしていきましょう。

山口千恵子(おさなご保育園 看護師おさなご保育園 看護師)

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