春の色探し
親子で自然遊びを楽しむには五感を使うことが大切です。よく見る・聴く・嗅ぐ・触る・味わうことで、遊びがとても楽しくなりますよ。今月は色探しの遊びです。子どもが見つけてきたら、「わあ、ほんとだ」と共感してあげてください。大人が喜んでくれたり、いっしょになって楽しんでくれたりすることが、子どもにとって大きな楽しみになります。子どもに探す色を決めてもらったり、「丸い形のものを探そう」などと色だけでなく、形探しをしたりしても楽しめます。また、見つけたもので遊んでみるのもよいですね。
目玉シールを使ってお話
最初は、子どもに気づかれないように目玉シールを貼り、「あれ? なにか声がしない?」と子どもを誘うとよいでしょう。穴の空いている木の幹や、虫に食われた葉っぱなどに貼ると、楽しそうな顔や悲しそうな顔など、いろいろな表情が生まれ、気持ちが入りやすくなりますよ。自然物の気持ちを交代で話してみたり、子どもにもシールを貼ってもらったりしましょう。子どもが貼ったものを見つけたときには、「すごくおもしろい顔だね!」などと発想を受けとめてあげてください。想像して遊ぶことで、自然を大切にする気持ちが生まれるでしょう。
雨の日も楽しく!
雨の日のお散歩も、ビンゴカードを作れば、たちまち楽しい自然遊びになります。ビンゴに描くものは、アジサイや水たまりなど、雨の季節ならではのものにするとよいでしょう。描いたものを見つけたら、「きれいだね」といっしょに感動したり、「晴れているときには、どうなっていたっけ?」などと問いかけたりして、見つける喜びと観察する楽しみを感じさせてあげましょう。遊び終わって帰ってきたら、ビンゴできた数だけ大人がぎゅっと抱きしめてあげるなどのご褒美があっても楽しいですね。
セミのぬけ穴探し
夏になると一斉に鳴きだすセミたちは、子どもたちの好奇心を大いにくすぐります。セミの声が聞こえたら、セミ探しを楽しみながら「あのセミ、夏になるまで、どこにいたか知ってる?」と子どもに問いかけてみましょう。土の中から出てきたことを伝え、地面に残っている「ぬけ穴」を親子で探してみましょう。ぬけ穴のそばには、ぬけ殻もあります。セミは土の中で幼虫の期間を過ごします。数年経つと、穴を掘って地上に出て木の上などで殻を脱いで成虫になります。ぬけ穴とぬけ殻を見つけたら、セミの成長を親子で想像して楽しんでくださいね。
浜辺の宝探し
海に着いたら、まず海全体を見渡したり、潮の香りに気づけるよう声をかけたりと、海ならではの雰囲気を味わいましょう。そして、海には危険なところもありますので、行ってよい範囲をあらかじめ決めて伝えることが大切です。波打ち際などを歩く際は親子で歩きましょう。拾うものの名称を調べる必要はありません。「きれいだな」「すてきだな」と思うものを自由に探して楽しんでください。持ち帰ったらよく洗って乾かし、飾りにしてもよいですね。記念写真といっしょに飾ってあげると「夏の思い出」が一層味わい深いものになりますよ。
秋の匂い探し
秋には、キンモクセイやキクなど匂いのする花が多く見られます。また、クスノキやマツ、サクラなどは葉からも匂いを感じることができます。自然は見て楽しむだけでなく、匂いからも楽しめることを子どもに伝えましょう。遊ぶ前に、「顔にはなにがある?」と問いかけ、「目・鼻・耳・口。そうだね。きょうは、鼻を使ってお散歩に行くよ」と鼻を意識できるように声をかけてあげてください。花や枝を折ったりしないように、まずは大人がやさしく扱う様子を見せてあげましょう。落ち葉は、軽くもんでみると匂いがはっきりしますよ。
どんぐりをじっくり観察
まずは、どんぐりを集めて楽しみましょう。帽子(殻斗)や葉もいっしょに拾うとよいですね。拾ってきたら「仲間分けをしてみようか」と投げかけ、「小さい」「丸い」など、子どもに自由に分けてもらいましょう。先に絵本や図鑑で調べるのではなく、子どもの感覚で特徴をつかませることが大切です。拾った葉と帽子が、どのどんぐりと同じものか考えてみるのもよいですね。また、どんぐりは土に植えると芽を出し、木になることや、森の動物たちの大事な食料であることを伝えてみましょう。仲間分けしたあとは、工作などをしても楽しいですね。
落ち葉でお絵描き
まず、遊びの内容を説明して、「どんな色の服を作りたい?」と問いかけます。子どもの反応があったら、「じゃあ、ぴったりの葉っぱを探しに行こうか」と話して、落ち葉探しの散歩に出かけましょう。目的を先に伝えることで、落ち葉を拾うのが楽しくなりますね。いろいろな色の落ち葉を集めたら、新聞紙などに挟んで重しをし、なん日か待ちましょう。葉が乾燥し、貼りやすくなりますよ。服の部分だけでなく、リボンなどを作っても楽しいと思います。できあがったら、ぜひ額縁に入れて飾ってください。
楽しく!おいしく!
まずは、大人が1つ見本を作ります。「たこのみかんやさんです。おひとつどうぞ」などのメッセージカードを添えて、ミカンといっしょに置いておきましょう。子どもが興味をもったところで、「いっしょに作ろうか」と誘います。作る際には、ミカンの皮の手触りや匂いも楽しみましょう。あらかじめ、皮をむく前に爪や竹串で切れ目を入れておくと、きれいに作れますよ。ミカンの皮は柔らかく、さまざまな形を作ることができます。自由な発想でいろいろ作ってみましょう。出来映えよりも、むいて食べることを楽しんでくださいね。
氷のモビール
氷は水が凍ってできたものということは、子どもにとって不思議なことです。どこで見つけたことがあるか、どうして氷ができるのかなど、話し合ってから遊びに挑戦してみましょう。準備ができたら、「あしたの朝、本当に凍っているかな?」と話して期待を高めます。できあがったモビールは、日にかざすと、さらにきれいに見えますよ。また、散歩のときに氷を見つけたら、「前に作ったみたいに氷ができているね」と話しましょう。自分の体験とつながって、興味が広がりますね。見つけた氷に、落ち葉などが閉じ込められていたら、氷ごと手に取ってみてくださいね。
野菜の生命力を感じる
まず、子どもに「この残った野菜の切れ端、実はまだ生きてるんだよ。本当かな?」 などと投げかけ、興味を引き出します。芽が生長する様子を写真や絵で記録するとよいですね。時間はかかりますが、花が咲くまで育てると、野菜の生命力をより感じられるでしょう。また、ニンジンやダイコン、キャベツなどの新しく育った葉は食べることもできますので、刻んでスープなどに入れて味わってみるのもよいでしょう。「新しい葉っぱだからおいしいね」などと声をかけてあげてくださいね。
春の絵を探そう
まずは大人が、春らしい自然物の上に額縁を当て、「春になってかわいい花が咲いているね。こうすると写真や絵みたいに見えるでしょ」と話します。子どもがやってみたいという気持ちになったら「○○くんは、どんな春が好きかな? どんな春を見つけられるか楽しみだな」と見守ってあげてください。子どもが見つけたものを「それは春のものではない」などと否定をしたり、「春といえばこれでしょ」と指示したりしないようにすることが大切です。絵に名前をつけてみたり、空や遠くの景色も額縁を通して見たりして、楽しんでくださいね。