プラスチック(合成樹脂)の種類について主なプラスチックを成分や性質からおおまかに分類し、一覧表の形で紹介しています。性質、特徴については、一般的な傾向を記載しています。プラスチックは、その使用目的によって、成分比率や添加剤の配合などが調整されています。同じ名称のプラスチックでも性質、特徴が異なる場合があります。汎用プラスチックエンジニアリングプラスチック分類名称フェノール樹脂略称名称ポリエチレン略称強度があり、特に耐熱性、難燃性に優れる。歴史が古く高性能の割に安価。酸性薬品には強いが、アルカリ性薬品に弱い。透明で、耐水性、耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性に優れる。薬品や溶剤に強い。表面が硬くなめらかで、光沢や重量感があり、陶磁器に似た触感。透明で、耐水性、耐熱性に優れる。主にグラスファイバー(ガラス繊維)と混ぜ合わせてFRP(繊維強化プラスチック)としたものが普及している。強度があり、耐衝撃性に優れる。溶剤に対してきわめて強い。硬質なものや、ゴムのように軟質なものが作られるほか、塗料用樹脂としての利用も多い。耐熱性、耐寒性、耐薬品性に優れる。プラスチックのほか、液状のシリコーン油(潤滑油など)や弾力性に富むシリコーンゴム(電子機器部品など)が作られる。安価で成形が容易。PPに次いで軽く、水に浮く。耐水性、耐薬品性に優れるが、熱に弱い。密度0.94以上のものを高密度ポリエチレン(HDPE)と呼ぶ。最も比重が小さく、水に浮く。耐薬品性に優れ、PEよりも耐熱温度が高い。成形時の収縮率が大きいので寸法精度が出しにくい。柔軟性、弾力性に富む。酢酸ビニルの配合率によって柔らかさが異なる。ゴムに近い感触が得られ、フィルムや成形品として広く用いられる。透明で、着色や印刷に適する。添加剤を加えることで、硬質から軟質まで自由に作ることができる。耐水性、耐薬品性、耐候性に優れるが、熱や溶剤に弱い。最も透明度が高く、光学特性に優れる。着色や成形が容易で表面光沢もよい。耐薬品性、耐候性に優れるが、摩擦に弱く、燃えやすい。安価で成形が容易。透明度が高く着色も自由。耐水性に優れるが、熱や溶剤、衝撃に弱く、割れやすい。スチロールとも呼ばれる。PSに柔軟性のある成分、ポリブタジエンを混ぜ合わせたもの。不透明。通常のPSよりしなやかで衝撃に強く、割れにくい。アクリロニトリルとスチレンを配合し、PSよりも強度や耐熱性を高めたもの。PSに近い透明度がある。表面は傷つきにくいが、衝撃には弱い。アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンを配合。PSよりも強度、耐熱性、耐衝撃性に優れるが、各成分の配合率によって性質が異なる。ABSのブタジエンに代えてエチレンプロピレンゴムを配合。ABSに似た特性を持つ。ABSより耐候性に優れるため、屋外での用途に適する。ABSのブタジエンに代えてアクリルゴムを配合。ABSに似た特性を持つ。ABSより耐候性に優れるため、屋外での用途に適する。強度があり、耐摩耗性、耐熱性に優れる。柔軟性があり、衝撃に強い。吸湿性が高いため、水を吸って変形する。強度があり、耐摩耗性、耐衝撃性に優れる。金属との間に生じる摩擦力が小さい。燃えやすく、難燃性の付加は困難。透明で強度があり、耐薬品性に優れる。耐熱性は成形加工条件により、大きく異なる。(繊維としたとき、耐熱性に優れる。)成形しやすく、絶縁性、寸法安定性に優れる。添加剤により難燃性を高めやすい。透明で強度があり、特に耐衝撃性に優れる。耐熱性も高く、燃えにくい。薬品、溶剤に弱い。性質、特徴など性質、特徴など主な用途包装材料、コップ、食器、電線被覆など食品包装材料、容器、玩具、家電部品など靴底、玩具、三輪車用タイヤ、接着剤など包装材料、水道パイプ、玩具、かばんなど照明器具カバー、看板、建築や乗り物の窓などコップ、食品容器、プラモデル、CDケースなど家電外装など家電部品、コップ、皿など自動車部品、家電外装、玩具、スーツケースなど自動車部品、OA機器外装、エアコン室外機部品など自動車部品、OA機器外装、エアコン室外機部品など自動車のガソリンタンク、電気コネクタ、歯車、合成繊維など歯車、軸受け、ファスナー、精密機器部品など飲料容器、食品包装材料、衣料用合成繊維など電気コネクタ、スイッチ類、自動車部品、OA機器部品などOA機器外装、CD・DVD、哺乳びん、航空機の窓、ヘルメットなど主な用途電気コネクタ、配線基板、歯車、食器など食器、家具化粧板、自動車部品、塗料など浴槽、ボート船体、航空機部品、塗料など自動車のバンパー、合成繊維、塗料、接着剤など医療器材、精密機器部品、塗料など熱可塑性プラスチック(熱を加えると軟化し、冷やすと固まる性質を持つプラスチック。成形が容易で幅広く利用される。)熱硬化性プラスチック(成形時、加熱により硬化、合成されるプラスチック。硬化後は熱を加えても融解しないため、高温になる場所での利用に適する。)ポリプロピレンEVA樹脂(エチレン酢酸ビニルコポリマー)塩化ビニール樹脂(ポリ塩化ビニル)アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル)ポリスチレン価格が安く量産しやすい。工業用から日用品まで幅広く使われている。ハイインパクトスチロール(耐衝撃性ポリスチレン)AS樹脂(アクリロニトリルスチレンコポリマー)ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー)AES樹脂(アクリロニトリルエチレンプロピレンゴムスチレンコポリマー)ASA樹脂(アクリロニトリルスチレンアクリレートコポリマー)ポリアミド(ナイロン)ポリアセタール(ポリオキシメチレン)使用目的にそって、耐熱性など、性能を強化したプラスチック。一般に高性能だが、高価になる。PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)PBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート)ポリカーボネートメラミン樹脂不飽和ポリエステル樹脂ウレタン樹脂(ポリウレタン)シリコーン樹脂(ケイ素樹脂)PEPPEVAPVCPMMAPSHIPSAS(またはSAN)ABSAESASA(またはAAS)PAPOMPETPBTPCPFMFUPPURSI577
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