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月刊チャイルドブックニュース

月刊絵本におかきいただいている作家、画家、写真家の中から毎月おひとりにインタビューをいたします。
このページは、そのインタビューをまとめたものです。
なお、この記事は小社の月刊絵本をご採用いただいている幼稚園、保育園の先生方に配布している冊子「ほいくえほん」にも掲載されています。
201911作者
チャイルドブックアップル11月号『ドアの キィ〜ちゃん』の
しのだこうへい先生です。
201911表1 
『ドアの キィ〜ちゃん』
作・絵/しのだこうへい
しのだこうへい 
1975年、名古屋市生まれ。工学部で工業デザインを学んだあと、広告デザイナーを経て、子ども向け書籍のイラストや漫画を手がけるようになる。商業施設・美術館・保育園・テーマパークなどの装飾イラストにも多数参加している。主な絵本作品に『どうぶつれっしゃ』『おばけれっしゃ』(以上、ひさかたチャイルド)がある。趣味の作曲・楽器演奏では、仲間たちと自分の絵本のためにつくった歌を演奏している。長野県在住。 





――お話の着想のきっかけを教えてください。
ぼくが以前住んでいた古いアパートでは、近くの部屋や向かいの家のドアの音がキーキーバタンバタンと、とてもうるさかったんです。ある日、あまりにうるさいので、このキーキーは「いってきますかな?」「お客さんかな?」「友達とケンカして帰ってきたのかな?」と想像していたら、急にその音に意味やイメージが生まれて楽しくなってしまって。音があまり気にならなくなったんです。そんな経験から、キーキーうるさいドアが主人公で、でもそんなキーキー音も周りの受け取り方次第で楽しく聞こえるようなお話をつくろうと思いました。
――今回しかけ絵本に取り組まれていかがでしたか?
実はこのお話は、最初はしかけなしで考えていて、でもなんだかもう一歩足りないのでしばらくしまっておいたんです。今回、しかけで展開するお話をつくりたいなあと昔のノートを見ていて、「そうだ! このお話がぴったりじゃないか!」と。ようやくパズルのピースがはまったような気持ちでした。
苦労したのは、絵の塗り方。子どもたちにしかけページをどんどん触ってドアを開いてほしいなあと思っていたので、気軽に顔を近づけられるような、親しみを感じてもらえる雰囲気を出すのに試行錯誤しましたね。
201911img01
P.18-21
どろぼうの撃退シーンは、読者の子どもたちの協力が不可欠! キィ〜ちゃんといっしょにこらしめてください!
――商業施設や美術館などの装飾イラストも手がけられていますが、そうしたお仕事と絵本制作が相互に影響しているところはありますか?
装飾イラストは、制約も多く、自分らしさや好みよりも施設全体のデザインイメージが優先されます。絵本は、読んでくれる人たちに寄り添いながら、自分が心から好きと思える絵をじっくりかつ自由につくっていきます。それってものすごく真逆ですよね。でも、それがお互いにとても助かっているんです。装飾イラストのなかでも、急に型にはまらないアイデアや絵を求められることもあって、そんなときは日々絵本のためにつくっている突拍子もないネタがとても役に立ちます。逆に、装飾イラストで苦労した経験が、絵本の絵でいきてくることも。人生、何事も無駄ではないなあと感心したりしています。
――ミュージシャンとしての顔もおもちなんですよね。
かつてはいろいろなバンドに所属して、旅をしたりCDを出したりと楽しくやっていました。今はユカイナという地元オリジナルの木の笛を使ったバンドで、マンドリンを弾いています。演奏も好きですが、音楽を聴くことはもう生活の一部。音楽がなければ絵は描けませんね。絵本の文章はリズム感や言葉の長さの感覚がとても大事だなと思っています。まだまだ未熟ではありますが、見ても読んでも楽しいという絵本の言葉をつむぐ感覚は、歌の歌詞をつくる感覚に近いのかもしれません。
――読者の方へのメッセージをお願いいたします。
キィ〜ちゃんのキーキー音は最初はみんなに嫌がられますが、それがキィ〜ちゃんの個性で強みだとわかったとき、同じ音でもなんだか楽しい歌声に聞こえてきます。身近にあるちょっと嫌だな、苦手だな…なんてことも、こちらの気持ち次第。想像力で、楽しめてしまうかもしれません。みなさんにとってのキィ〜ちゃんが見つかるといいですね!
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